◆ 公演写真 ◆
寄り道公演「許される許されざるに拘らずただ足枷の花束を抱いて」より。
ご観劇頂いた方、そうでない方共に楽しんでいただけたら幸いです。
「俺、天野ともっかい付き合いたい。」
こうして交際を始めることになったみどり(兎桃)と村上(菅原ゆうき)
遅くまで残業するあかね(斜あゐり)と上司の冴木(慶雲)
「ほんとに心配なら、送ってください。」
みどりの家で、女二人。
「結婚させたいの、あたしを?」
「そういうつもりじゃないんだけどね。」
ひとつ屋根の下に住むふたり。
「あたしが変でも、平気だよね?」
昼下がり。家でくつろぐみどりと村上。
みどりとの交際を嬉しそうに語る村上。
対して、事情を知り、彼を呼び出したあかねは複雑そう。
村上と冴木を引き合わせたあかね。
冴木にみどりとの関係を尋ねる。
「天野みどりさんと、一緒に住んでますよね?」
事実に動揺し、みどりと別れると言い出す村上。
あかねはみどりを説得しに行くと言う。
十年前、村上の記憶。孤独にたたずむみどり。
寄り添おうと村上が声をかける。
「ああ。いやだなあ。普通になりたい。どうやったら普通になれる?」
彼女の中に存る悩み。
「普通の人なんていないんだよ。俺は天野さえいればよかけん。」
暗い部屋に佇むみどりに、冴木は寄り添う。
「また、何も起こらないうちから心配してますね」
一方、思考に沈んでゆくみどり。
同じ部屋、近い距離。にも拘らず、孤独を感じるみどり。
「二人で部屋にいるのに、あたしは一人だよ…」
三人の状況に黙っていられなかったあかね。
みどりを何とか諭そうと、家へと押しかける。
「あの人たちだって、それぞれの判断でやってることでしょ。」
「人としてちょっとおかしいんじゃないかって、あたしは言ってるの」
互いの主張は相容れず、あかねはみどりの家を去る。
話し合いの結果を村上に報告。
村上は、みどりと別れる決意をあかねに伝える。
一方、冴木の反応はあかねには予想外で・・・
冴木の考えを受け入れられないあかね。
「みどりがあなたに対して一生懸命じゃないのに、
どうして平気なんですか。」
冴木の前で、みどりに別れを告げる村上。
「じゃあ…俺と天野は、今から他人な。冴木さん、おめでとうございます。」
祝福する村上と、事実を知った冴木。
「…難しいよ…どうして全部こんなに難しいの?
普通にしてたいだけなのに!」
それはかつてと同じ、彼女の中に存る悩み。
冴木の重荷になるのが怖いと言うみどり。
「私はあなたの望むカタチでいいですよ、と言ったんです。」
寄り添い、受け入れる冴木。
エピローグ。
それぞれに、生きる道を歩みだす。
「待ちます、私は。」